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リンゴとおなら――健康的な果物がなぜお腹を張らせるのか

リンゴは世界で最も人気のある果物のひとつで、健康の象徴でもあります。それでも、食べたあとにお腹の張りやおならの増加を感じる人は少なくありません。その原因は、自然に発酵しやすい三つの成分にあります。

リンゴのパラドックス

「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」ということわざが示すように、リンゴほど健康的な評判を持つ食品はそう多くありません。ところが驚くほど多くの人が、シャキッとしたリンゴをかじってから一、二時間後に、お腹の張りやゴロゴロという音、そして明らかなおならの増加を経験します。これはリンゴが体に悪いという意味ではありません。むしろ、この果物の成り立ちを反映しているのです。リンゴには、過剰な果糖、糖アルコールであるソルビトール、そして豊富な水溶性食物繊維という組み合わせが含まれています。これらはいずれも一部が消化されないまま小腸を通り抜け、大腸へと届きます。そこでは何兆もの常在菌がそれらを勢いよく発酵させ、水素、二酸化炭素、ときにメタンを放出します。まさにこれらのガスが腸をふくらませ、最後はおならとして外に出ていくのです。

果糖とソルビトール――発酵しやすい二人組

リンゴは果物の中でも珍しく、ブドウ糖より果糖を多く含みます。通常、ブドウ糖は腸が果糖を吸収するのを助けますが、果糖が過剰にあると一部は吸収されずに残ります。とくに果糖不耐症のある人ではそれが顕著です。さらにリンゴは、天然の糖アルコールであるポリオール、すなわちソルビトールを豊富に含みます。ソルビトールは誰にとってもゆっくりと不完全にしか吸収されず、人の腸には大量のソルビトールを効率よく取り込む仕組みがありません。残った果糖もソルビトールも、そのままの形で大腸に到達します。そこで腸内細菌はそれらをごちそうのように扱い、糖を発酵させて副産物としてガスを生み出します。これらの成分は腸内へ水分を引き込むため、敏感な人ではリンゴがおならだけでなく、ゴロゴロとした感覚やけいれん様の痛みを引き起こすこともあります。

ペクチンと食物繊維という要素

糖分に加えて、平均的なリンゴはおよそ四グラムの食物繊維をもたらし、その多くは皮とそのすぐ下に集中しています。その大きな割合を占めるのがペクチンで、消化管の中でゲル状に溶ける水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は健康に良いことで知られ、血糖値の調整を助け、善玉菌を養い、安定した消化を支えます。しかしペクチンは発酵しやすいため、その恩恵を受ける同じ細菌が、分解の過程でガスも発生させます。だからこそ、急にリンゴの摂取量を増やしたり、皮ごと食べるようにしたりすると、いつもより多くのおならが出ることが多いのです。腸内細菌叢はふつう数日から数週間かけて順応するため、消化器が食物繊維の増加に慣れると、余分なおならは治まっていくことがよくあります。

リンゴによるガスを上手に抑える

お腹の張りを抑えるためにリンゴをあきらめる必要はありません。加熱はもっとも簡単な対策のひとつです。煮たリンゴやアップルソースは、そのままのソルビトールが減り、食物繊維も柔らかくなるため、生の果物より腸にやさしくなります。皮をむけば発酵しやすい食物繊維の一部が取り除かれ、量を控えめにすれば果糖とソルビトールの総量を抑えられます。空腹時に一気に食べるのではなく、ゆっくりと、ほかの食べ物と一緒にリンゴを食べることでも症状は和らぎます。過敏性腸症候群のために低FODMAP食を実践している人は、リンゴが果糖とポリオールの両方を多く含むため、しばしば摂取を制限します。もしリンゴで決まって強い不快感が出るなら、果糖の吸収不良や不耐症について医師や管理栄養士に相談する価値があります。

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豆知識

「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」と言いますが、果糖不耐症の人にとっては、一日一個のリンゴがむしろ部屋から人を遠ざけてしまうかもしれません。

出典

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